銀行を辞めて後悔する前に読んでください
10年以上の銀行員経験を持ち、メガバンクで資産運用から金融商品の提案・販売まで多岐にわたる業務を経験。証券外務員一種二種に合格し、ファイナンシャルプランナーとして1000件以上の相談に対応。私は10年以上勤めたメガバンクを退職。
退職を決める前に退職するかどうか悩みました。
この経験が銀行を辞めようか迷っている方の参考になればとおもい、記事を作成しました。
銀行を辞めようか悩んだときに考えたこと。
・今、在籍している銀行は関連会社がおおく、学べる機会がおおい。他行に転職するなら、今の銀行にいたほうが学べることがおおいのではないか。
・自分が転職できる企業はどんなところがあるのか。
・転職したら、給料はどのくらいになるのか。
・転職したとしても、どの業界に転職する?今まで、銀行で個人営業しかしていない。保険につよみがあるわけではない、不動産知識が豊富なわけではない。
・銀行業界は市場規模拡大を期待するのは難しそう。IT業界は伸びているようだけど、活かせるスキルはない。
では本題の「銀行を辞めて後悔したこと」「よかったこと」を説明していきます。
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銀行を辞めてよかったこと
目標(ノルマ)に縛られない
銀行員時代にあった「営業ノルマ」がなくなります。
その結果、「営業ノルマ」を達成するためにしていたことがなくなります。
- 今日はどのお客さんにアポを取ろう
- アポを取得済みのお客さんに「どのような話」や「提案」をしよう
- ノルマの足りない分はどのお客さんで「なんの商品」「金額は○○百万円」に申し込みしてもらおう
- お願い営業をする必要がない
- 半ば強制的な商品販売をすることもない
- ノルマを達成しても、追加のノルマが与えられることもない
退職後に転職した先の企業や働き方にもよりますが
同業者や忙しい会社を選ばなければ、銀行員時代の苦しみを味わうことはありません。
銀行では企業や個人への融資、投資信託や保険の販売、定期預金の作成等々、幅広い業務があります。業務があるということは銀行員…
ツライ人間関係がなくなった
支店や部署にはひとり「お局」と呼ばれる存在の人がいます。
お局は長年、銀行業務に携わっているため
- 知識
- 経験
- 人間関係
が豊富。
お局は部署内での発言力も大きいため、同僚や上司も抗えません。
銀行を辞めるときにはお局さんともおさらば。
お局との関係で困っていた方は精神的に良い結果をもたらします。
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ウマの合わない同僚
お局だけでなく、仲がわるい同僚とも縁が切れます。
支店長が人事部に推薦できる人数は限られています。
そのため、同じ領域で働いている銀行員には自然と利害関係が生まれます。
お互いに足を引っ張り合うことも珍しくありません。
そんなストレスフルな銀行員生活から解放されます。
細かい事務から解放
人によっては細かい作業や確認が性格にあわない人がいます。
- 印鑑の傾き
- 書類のホッチキス止めの性格さ
- 減点主義
- 申込書の訂正方法にお客さんの印鑑が必要
細かいことから重要なことまで、銀行では神経をつかいます。
人によっては神経をつかっても細かい作業ができないひともいます。
ミスが許されない細かい事務からも解放されます。
副業のハードルがたかい
銀行が認めている副業は完全にフリーではありません。
本業に関係する副業が基本。
銀行員はプライベートの時間でおこなう副業に制約があるケースがあります。
銀行員の副業を扱った記事はコチラ
金曜日の異動発令に怯えない
銀行員の常である「転勤」からも離れられます。
金曜日の朝の無意味な緊張からも解放されます。
「自宅から遠くの支店へ異動になったらどうしよう」という恐怖からも解放されます
AFP・CFPの年会費を払わなくなる
年会費 | 支払年数 | |
AFP | 12,000円 | 360,000円(30年間) |
CFP | 20,000円 | 500,000円(25年間) |
表の見方が分かりづらくて申し訳ありません。
ここで説明したいことは
- AFP取得者 年会費12,000円
- CFP取得者 年会費20,000円
を支払う必要がなくなるということです。
銀行に勤めている場合にはAFP・CFPは必要な資格ではありますが、銀行員を辞めてFPの資格が不要であれば退会できます。
FP協会に名を連ねることにより、「月刊誌を読める」「名刺にAFPやCFP」と載せられれますが、どうしても必要なメリットかというと疑問です。
FP協会にはいっている価値を見出せない方は退会できます。
プライベートの時間を資格勉強に費やさなくなった
プライベートな時間を勉強に費やすことは悪いことではありませんが
- 銀行のみで役立つ資格
- 資格を落とせない恐怖
- 高い試験料の支払い
から解放されます。
大学生が銀行にはいる前に「とっておいたほうがいい資格」「おすすめ参考書」「資格試験に落ちたらどうなる?」等を説明します。…
飲み会が減る
銀行 飲み会一覧
- 新年会
- 送別会 (支店内編、部署内編、仲がいい人たち編)
- 歓迎会 (支店内編、部署内編)
- 期末終わりに「期末はおつかれさま飲み会」(支店内編、部署内編)
- 期末直前に「期末にがんばろう飲み会」(支店内編、部署内編)
- 本部から偉い人が来たときの接待飲み会
- 一次会では終わらない。(二次会、三次会、終電後もつづく)
- 突発的なお誘い飲み会
- おきゃくさんのゴルフ接待
- おきゃくさんを飲食店で接待
定型的な飲み会だけでも様々な種類があります。
ほぼ同じメンバーで飲むことになります。
それも、飲み会には半強制的に参加。
職場での人間関係をよくする効果がありますが、こんなにもおおくの飲み会に参加する必要性は感じません。
出向リスクをさけられる
銀行では40代や50歳頃になると関連会社や親密先企業に出向になります。
給料が半分近くになったり、出向先で初めての業務に取り組んだりと苦労がおおいです。
それに加えて、
- 出向先の減少
- 役職定年の年齢が引き下がる傾向
を考えると、出向の先の明るい未来を描きにくいです。
目次 1 銀行員の出向2 キャリアアップ目的の出向2.1 20代 上司から指示された出向2.2 20代~30代 行員が自…
銀行を辞めて後悔したこと
給料が下がる可能性
転職先の給料によりますが、銀行の給料が転職先よりも高額な場合があります。
とある会社経営者に、銀行員の給料を言うと
「あなたの給料は、わたしの会社にいる同年代の社員の給料ではありえない」と言われたことがあります。
積み上げてきたキャリアをすてる
ストレスに耐えて積み上げてきたキャリアを捨てることになります。
順調に銀行員としてキャリアを積み上げている銀行員は、そのキャリアを捨ててまで転職する必要性をよく考える必要があります。
他業界の情報や自己分析をして、総合的に決めましょう。
銀行の経営方針をリアルタイムで学べなくなる
支店に出勤するとまずはパソコンの立ち上げをし、真っ先に本部からの通達をチェックします。
- 銀行がどのようにして日本の金融システムを作るか
- 具体的な本部の考え方や銀行全体の方針
以上のことが通達に書かれています。
銀行を退職すると、このような現場で知られた内容を手にできません。
銀行はおそらく規模が縮小していくと思われるが・・・
銀行は金融という経済の流れの一端を担っている業態は
今後もなくなることはないでしょう。
- 業務の一部をスタートアップの会社に奪われても、多岐にわたる仕事がある銀行は仕事がなくならない
- 銀行の規模が小さくなっても、他の銀行と合併する
という流れから、完全に銀行がなくなることは考えずらいです。
銀行がなくなることがないと考えると、銀行から離れることはマイナスかもしれません。
しかし、以下のポイントを考えるとマイナスではありません。
- 出向年齢が引き下がっている傾向
- メガバンクが新しい金融システムに出遅れている
- 人員削減
- ネットバンクや新たに参入してきた企業に金融業務のシェアを奪われている
このようなことを考えると、銀行を辞めても後悔しないと考えられます。
金融や銀行に向いている性格や特徴と向いていない人のケースについて説明しています。私が銀行員として働いていた中で感じたこと…
経済の話題に疎くなる
日経新聞等で毎日、経済の流れを確認した習慣が薄れます。
そのため、金融に対する新しい知識が入りにくくなります。
その代わりに今まで見向きもしなかったような
エンターテイメント系のジャンルに詳しくなります。
給料をもらいつつ資格取得ができない
在職中は実務・人事評価のために資格勉強をしました。
資格を取得すると手当がもらえることがありましたが、その手当がもらえなくなります。
転職をしなくても部署を変えればいい
人によっては
銀行を退職せずに
他部署にキャリアを変えればよかったという方がいます。
なぜなら銀行は従業員数が多いこともあり、部署が多数あります。
そのため、わざわざ転職をしなくても銀行の中で他部署にチャレンジすれば
もちろん人事評価は引き継がれるので
評価をゼロクリアにすることはできません。
銀行を辞めたいと思ってる方がいたら今まで経験したことのない部署へ
異動の希望をだすのがいいと思います。
それでも銀行を辞めたければ退職するのがいいと思います。
ある関連会社の職場環境
その職場では、みんなが何年も同じ業務を行っているため、全員が仕事を熟知。そのため、急なお客さんの契約が入っても、誰かが代わりに対応し、心の余裕が十分。みんながとてもフレンドリーでした。そして毎日、ほぼ定時で帰宅。給料が下がったり、出世は難しいですが、定期的な収入とプライベートの時間を確保するという意味では悪くない印象でした。
家賃補助がなくなる
世帯によりますが、人によっては月に10万円近い家賃補助を受け取っています。
退職後は家賃補助が支給されませんので経済的に痛手。
年間にすると100万円近くです。
家賃補助はすべての企業が採用しているわけではないので、転職先で家賃補助をもらないと苦しいです。
独身寮からの退寮
若い年代の銀行員は独身寮から退寮しなければなりません。
数万円で光熱費込みで寝泊まりできる権利を放棄しなければなりません。
独身寮の煩わしさからは解放されますが、地域の家賃相場よりも安く住むことはできません。
クレジットカードの審査に通りにくくなる
今までは簡単に審査が下りたものが無職になるとすんなり審査に通らなくなります。
テーマパークや映画での割引がなくなる
福利厚生で各種テーマパークや宿泊施設を割引価格で利用できていました。
この割引が利用できなくなります。
割引利用ができなくなったとはいえ
一回、数百円程度なのであまり大きな痛手ではありません。
ホテルの予約はじゃらんや楽天トラベルの方が安かったりします。
銀行独自のイベントに参加できない
銀行にいると極まれにイベントのお誘いがあります。
- 博物館への招待
- 演奏会への招待
- テーマパークの貸し切りに参加
こういったイベントに参加できなくなります。
人との交流が減る
支店に出勤することがなくなったので単純に人との関わりが減ります。
銀行を退職後すぐに、次の会社に就職すれば話は別ですが
無職になると人との交流が減ります。
銀行は関連会社と関わるケースが多いです。
証券会社や保険会社、不動産会社と多く関わります。
そのため、今までは普通に聞けていた各会社の内部事情や保険会社の営業方法、
不動産市況等の情報を簡単に得られなくなります。
私は他の業種の方の話を聞くことがとても好きであったので、この機会がなくなることは残念でした。
転職先 マニュアルがない
銀行ではひとつひとつの業務にマニュアルがあります。
マニュアル通りに仕事をおこなえば、ミスが起こりません。
それが他の会社にいくと
マニュアルがなく、じぶんたちの裁量で仕事をするケースが増えます。
元銀行員はマニュアルがないままに仕事をすることに不安を感じます。
銀行は休暇がとりやすかった
- 有給休暇
- お盆を避けた一週間続けての連続休暇
- 育児休暇
- 産前産後休暇
- 突発的な休暇
- メンタルを病んだ時の休暇
銀行は法律で定められた休暇を中心に休みがとりやすいです。
この権利を放棄することになります。
社内預金ができなくなる
銀行員だと金利がよくなる定期預金があります。
少額ですが、金利が有利な定期預金をできなくなることはデメリット。
【関連記事】
銀行を退職すると決意した時にしたこと【体験談】
銀行の手続き(マニュアル)を探す
銀行を退職するときにまず気になることは
でしょうか。
どんな順番で退職の意向を伝えればいいのかな。
ぼやーっとしたイメージはありますが
退職の際の手続きを知っている方は少ないです。
ちなみにインターネットで銀行を退職するときの手続きを検索しても
退職の手続きをパソコン、タブレットで調べる
退職手続きが融資審査や運用商品手続きと同様に銀行手続きのひとつです。
そのため、パソコンやタブレットをつかって調べました。
口座を解約するのと同様
銀行員がひとり辞めることなんて
口座解約と同様に業務の一環でしかありません。
人事部に内線でわからない手続きを聞く
人事部の担当者の方の対応はすごく丁寧です。
実は、初めて退職手続きを人事部にきくときはどきどきしました。
面倒くさいと思われて、塩対応されるのではないか
不安でいっぱいでしたが、人事に担当者はとても丁寧な対応でした。
私はリラックスして質問できました。
机の中を整理する
退職をするときにバタバタしないように机の中や棚を整理します。
- 自宅からネクタイをし忘れた際の予備用ネクタイ。
- 弔辞用のネクタイ。
- 食事でYシャツを汚した際の予備Yシャツ。
- 雨で靴下が濡れた際の予備靴下。
- 出勤前に髭を剃り忘れたときに使うカミソリ。
整理するだけではなく、いつでも退職できるように
ウェットティッシュで机やロッカーを拭きます。
ネームプレートを外すことも忘れずに。
一日二日で退職するわけではないので、焦らずに片づけをしましょう。
自分の退職金を計算する
今まで自分自身の退職金の計算をしっかりしたことがなかったので
この時、退職の意向が強まりました
銀行を辞めずに働いても
退職金は貯まらないだろうなあ。
全国の支店数も年々減ることがニュースにもでているから
支店長や課長のポストも減少中。
退職金について
自分の給与がわかる書類を印刷する
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まとめ
以上が銀行を辞めて後悔したこととよかったことです。
記事を書いてみて、既に銀行を辞めた方や私自身の経験を踏まえて
銀行を辞めないとしても